第2回 デジタル写真のカラーマネージメント

見る機器によってなぜ色が違うの?

 購入したデジタル写真、また自分でデジカメで撮った写真をプリントしてみると、色が違う、さらに他のPCでみるとまた色が違う、といった経験はありませんか? デジタル写真をDTPで利用し、印刷物に利用する方はご存知だと思いますが、これらを一致させるには、「カラーマネージメント」が必要です。
 カラーマネージメントとは、デジカメ、モニタ、プリンタなど様々な出力装置で同じ色で 表示・印刷するための仕組みです。


ここでは、コンピュータ上でのカラーマネージメントに絞って、ご説明します。

カラースペースといろいろなRGB

 デジタル出力装置(デジカメ、モニタ、スキャナなど)の色は、R(赤)、G(緑)、B(青)で表されます。これらは各色0~255の数値で表現されます。ただし、RGBにもいくつかの規格があり、同じ数値でも実際の色は違うことがあります。
 本来の色に近い色を出すためには、最初にデジタル化したときの機器の採用している(あるいは機器の設定で選んだ)RGB規格に合わせるのが近道です。つまり、デジカメの設定や、ポジをスキャニングしたときのスキャナの設定です。《imagenavi》では様々なブランドの写真を扱っていますが、各社によって従っている規格はまちまちです。以下に主な規格をあげます。

sRGB 一般的なモニタ、プリンタ、デジカメなどが準拠している国際規格がIEC(国際電気標準会議)が定めた規格。
AdobeRGB

アドビシステムズによって策定されたRGB規格。sRGBよりも広い色領域をカバーしているが、photoshopなどの一部のアプリケーションしか対応していない。最近デジカメでも対応をはじめ、DTPの世界では標準になりつつある。

AppleRGB Apple社のRGB規格。それほどいろ領域は広くないが、Macでは標準の規格とされてきた。

 これらの違いを解決するために、それぞれ異なるカラーを一旦機器に依存しないLab値で表現する共通のカラースペースに変換し、次に他の機器のカラースペースに変換する事で、異なるデバイス間でも一貫したカラーを扱えるようなカラーマネージメントシステムが標準的に使われています。
 これらは、各OSに内蔵されていますが、Adobe Photoshopに内蔵されているACE(Adobe Color Engine)の様に、アプリケーションソフトウエア自身が独自のカラーマネージメントシステムを内蔵している場合もあります。

Lab領域(目に見える色を全て含むとされる領域)内における各規格の色再現可能範囲
sRGB AdobeRGB AppleRGB

上記のように色の範囲に違いがあるため、例えばAdobeRGBにあわせて作った写真は、sRGBにあわせてみると緑系の色が薄いなど、違いが生まれてきます。


カラープロファイルとは

 デジタル写真には、カラープロファイルというものが埋め込まれている場合があります。
 カラープロファイルとは、、特定の機器での色の再現方法を数学的に記述した小さなデータ ファイルで、ICC(※)プロファイルとも呼ばれます。これらは、どの規定に従っているかなど、色の情報を正しく伝える役割を担っていて、出力機器のほうでも、対応したプロファイルを利用することで適切な色で出力することができます。
 ICCプロファイルは、独自に作成することも可能ですが、例えばデジカメの撮影時、設定によっていずれかの規格のプロファイルを埋め込むことができる場合もあります。一般的なデジカメはsRGBがほとんどですが、最近はプロ仕様のものにAdobeRGBを採用するものが増えています。

※ICCとは規格化を推進する為に設立された団体名 International Color Consortium
の名称です。

 カラーマネージメントがおこなえる代表的なアプリケーションにAdobe Photoshopがあります。Photoshpでは、さまざまな規格でつくられたデジタル写真を画面上で表現、確認することができます。(厳密にはモニタの設定によってもかわってみえます)
 カラーマネージメントが行えないアプリケーションで、例えばAdobeRGBの画像を表示した場合、(ブラウザなども含む)本来意図していたものより、色が薄く見える場合があります。



Photoshopでは、ICCプロファイルが埋め込まれている画像はそれを保持したカラーマネージメントを行うことができます。


Webで利用する場合はどうすればよい?

 印刷物の場合は、上記の設定などで本来の色を確認することができますが、Webコンテンツにデジタル写真を利用する場合は、どうしたらよいでしょう。
 ほとんどのブラウザは、sRGBを標準でサポートしていますが、AdobeRGBなどで作成した写真を表示できません。(色が浅くなったりすることがあります。)また、上記のようなICCプロファイルを埋め込むことで、Safari、Mac版Internet Eexplorer(ColorSyncの設定をオンにする)など本来に近い色で表示できるブラウザはいくつかありますが、他のブラウザでは色の浅いまま表示されますので、あまり良いとはいえません。Photoshpをお持ちの場合、以下のような方法で、Web上で近い色を表現することができます。



以下に、ICCプロファイルが埋め込まれてるjpeg画像を例にとって説明します。

  1. Photoshpでjpeg画像を開く。
    画像データに埋め込まれたプロファイルが作業用スペース(※)と一致しないときには、以下のようなダイアログボックスが表示されます。(一致する場合、あるいは出ない設定にしている場合は出ません)
    [作業用スペースの代わりに埋め込みプロファイルを使用]を選べば、そのまま付属プロファイルどおりの色で表示されます。



    ※作業用スペースとは、Photoshopが画像を編集して印刷にまわす作業領域の事で、[ファイル]メニュー(ver.7.0では[編集]メニュー)>[カラー設定]で「作業用スペース」を変更することができます。

  2. [編集]メニューの[プロファイル変換](ver.7では[イメージ]メニュー-[モード]-[プロファイル変換])を選択します。
    以下のダイアログが表示されますので、sRGBに設定します。

  3. 次に画像をjpegのまま保存すれば、ブラウザ上で閲覧するときも、sRGBの範囲内で本来の色に近い色を表示することができます。

※Adobe および Photoshop は、アドビシステムズ社の商標です。

第1回 デジタル写真の基礎知識(解像度など) 第3回 デジタル写真の解像度と印刷物の関係